声楽界では昔から当たり前に使われていた言葉ですが、今では管楽器界でもよく使われています。では喉を開くとはどういう意味なのでしょうか。
声帯と声帯のすき間のことを声門といいますが、のどを開くことと、声門を開くことを同じこととして考えている人がいますがこれは勘違いです。
声帯は甲状軟骨(喉仏)の中にあって前側はこの軟骨にくっついています。後ろ側は披裂軟骨にくっついています。(管楽器の呼吸法のP.9参照)これらの軟骨の外側の筋肉、喉頭外筋が働くと声帯は延ばされ声門は閉じます。(喉頭内筋にも声帯を伸ばす働きをするものもあります)またこの時喉の位置は地声状態よりも下がっています。この状態を喉が開いたといいます。またこの時に呼吸筋との連動が起こります。下腹部がはっきりとへこみます。以外に思うかもしれませんが声門は吹奏時には閉じているのです。しかし力が抜けているので声は出ません。
息を吸う時には声門は大きく開いた方が良いのですが、その為に<HO>というイメージを使わせる指導者もいます。吸う時はこれで良いのですが、吐く時に同じ<HO>で吐こうとしたり、暖かい空気を吐くようにというのは声門が開いてしまいますので良くありません。暖かい空気を吐くようにというのは低音楽器でよく聞かれるように思いますが、ボーっとした音は出ますが芯の無いうつろな響きになってしまいます。低音楽器でも上手な人の声帯は伸びて閉じています。
喉が開く(オープンスロート)と声門を開くを混同しないようにしましょう。
